フラクタルの肝となる経営戦略の考え方

4期目を迎えるフラクタルのキックオフ(初の箱根合宿!)で話したこと。

「改めてフラクタルが3年間で考えてきたこと」として、3年分の思考を時系列に沿って書いてみます。

2つ目は「ポートフォリオ戦略」について。

※1つ目の「最初の実績の作り方」についてはこちら

コンサルタントの仕事は顧客の「利益の増加」

1つ目に書いた「最初の実績の作り方」でのポイントは「人件費のリプレイスを狙う」ということでした。

ちょうどつい先日、とある方から「コンサルタントの人の仕事って、クライアントの売り上げを伸ばすことでしょ?」と、半ばお手並み拝見的なニュアンスで言われました。

僕が「経営コンサルティングの会社を経営している」と言ってもまあ、僕の会社の取り組みや実績を知らない人からは、「ふっ。コンサルってw」みたいな、ちょっと揶揄したようなニュアンスで言われることが多いのですが。笑

そして別にマウントを取りたいわけではないのですが、そういう人に対してちゃんと実績を事実ベースで語ると、かなり引かれる(時には惹かれる?)ことも多い。まあ、人間というのは己のバイアスで物事を解釈するので、そんなものです。

話はさておきて、コンサルティングというのは「顧客の売り上げを伸ばす」ではなく正確には「顧客の利益を伸ばす」ことにあります。

顧客の利益を伸ばすというのは2つあって、もちろん1つは「売り上げの増加」です。
そして大事なポイントはもう1つの「コストの削減」です。

利益というのは「売上」/「コスト」なわけですから、売り上げを上げる以外にもコストを下げることで、結果として利益が増えることになる。

コストの削減というのは例えば経費を削るとかリストラをするとか、そういうこともありますが、僕らが提供するのは顧客の社員で解消しきれない(ボトルネックになっている)領域を解消する、ということです。

社員の代替をするわけではないです。ここ注意。

会社が社員に支払っている人件費というのは、何らかの目的や期待があって支払っているわけです。

その中で必ず、何かしらの問題があって、その問題や課題が解消できない要因というのは、社員の能力にあることが圧倒的に多いのです。

だから世の中の経営者は常に「人手不足」に困っている。

僕らフラクタルは優秀なメンバーを抱えていますから、スキルとか知識ではなく、その会社のボトルネックになっている部分を解消するのにコンサルティングフィーをいただく。その入口作りをすることが多い。

ようは顧客の社員との「知識やスキルの差」でフィーをいただくのではなくて、社員との「ビジネスリテラシーの差」によってフィーをいただく。この構造が僕らのコンサルティングの入り口の肝であり、これから個人で独立や複業で仕事を増やしていきたい人への最大の営業的な考え方なのです。

「コストの代替」で入り口を作った後の考え方

何事もまずは0→1です。実績を作らないことには話は始まりません。

今回の記事の主目的は、入り口で実績を作った後の考え方の話。

今までに書いてきたように「コストの代替」それも「人件費のリプレイス」によって案件を見事作ることができた。ここまでは一定度の人は到達します。(と言っても容易ではないのだけど)

コストの代替という考え方は入り口作り、実績作りでは有効な手段ですが、実はデメリットもある。

それは誰もが想像できるように「リソースの限界がある」ということ。

いわばコストの代替というのは「引き算」の考え方なのです。

引き算というのは、引き続けるといつかはジリ貧になります。

例えば案件として「営業マネージャー」的な立ち位置として、営業管理の案件を引き受けたとします。

営業系の案件だからと言っても、フィーのもらい方は「売り上げの増加」に対してではなく、社内にいない営業マネージャーの役割としての「人件費の代替」です。なのでフィーの最大値は月40〜50万円程度が相場でしょう。(それもかなりの工数をかけて)

通常は月20〜30万円程度。それでも3社掛け持つことができれば、会社員の給与は超えます。なので独立系フリーランスの人とかは営業支援と銘打って「営業マネジャー」的な仕事を請ける人が多い。

問題はここから。営業マネジャーとして半永久的にその役割をし続けるというのは難しくて、例えばマネジメントしていた現場や部下(っぽい若手の人)が育つようになると、マネージャーという役割を代替されてしまうわけです。

クライアントの立場からすると「外部から入っている営業マネージャー的なことをしているおっさん」よりは、自社の若手社員が成長した後にその役割を任せる方が良いのです。

上の話は一例ですが、ようは社内でボトルネックになっている部分を解消すると、いつかは引き算できるものがなくなってしまう。役割をまっとうできた、コンサルティングの成功例です。

ただし、コンサルを提供する側の目線に立つと、一定期間でお役ゴメンというのもOKですが、そこからまた新規の顧客を開拓するというのは結構大変なのです。

加えて問題はもう1つあって、経営上流の話には入れない(上がっていけない)という構造的な問題があるので、2社目も、3社目も、営業マネージャー的な案件しか取れない、ということになってしまうのです。
(何度も言いますが、それはそれでOKです。ただしその仕事の仕方を10年後もするのですか?と僕は思う)

フラクタルは僕自身のリソースを顧客に提供して実績を作るということをやってきましたが、同時に会社としては「コストの代替」「人件費のリプレイス」の案件だけではなく、少しずつ経営上流の案件に関わっていきたいという思いがあったわけです。

そこで出てくるのが「ポートフォリオ戦略」。命名フラクタルなので一般用語ではないのかもしれない..

ようは一点突破で作った実績を「点」として、その点を広げていくと「面」になるよね、という考え方です。

実績としてのポートフォリオを広げると、上流から入れるようになる

フラクタルの場合は立ち上げ初期からこの「0→1で実績を作る」と「ポートフォリオを広げる」の両軸を戦略的にやってきました。

まずは一点突破で実績を作る。だけれども専門性は作らずに、違うテーマでまた実績を作る。
それを繰り返しているうちに、会社や事業、経営、ビジネスのことであればどの領域でも支援ができる実績がある、という状態が作れるという構想です。

この3年間は、実績としてのポートフォリオを最大限広げることに注力してきました。

クライアントの「企業規模」「業界」「支援テーマ」の3つの領域で、できるだけ広い範囲で実績を作る(=風呂敷を拡げる)ことで、入り口は少しずつ上流になっていきます。

実績の点が広がると面になる、いわば風呂敷が広がり続ける状態になると、どんな相談が来てもその面の内側に入るわけですから、上流から提案ができるし、相手もこちらの話を聞いてみたい(むしろぜひ相談に乗っていただきたい)と頭を下げてもらえるようになります。

コンサルティング会社としては、どのポジションで相手との関係性を築くかというのが非常に非常に大事になってきますので、それこそ同じことを言っていたとしても一会社員の営業マンが語る言葉と、コンサルティング実績のある会社の経営者が語る言葉は、同じそれとしても重みが全く違うのです。(という僕の経験則w)

そしてその面に含まれない領域の相談が来た場合は(例えば全く知らない業界や支援テーマ)、クライアント社内の人件費のリプレイスという考え方をベースに僕が全身全霊でコミットし、何が何でも顧客満足を生み出した上で実績を作るのです。そうすればその実績がまた、フラクタルの実績ポートフォリオを一段上に引き上げてくれる。

この戦略は本当に最強です。フラクタルならではのものだと思っているので、嘘偽りなく隠すこともなく書いています。なぜならこれを理解したとて実行する難易度というのはすごく高いと思っている。

なぜ、この戦略はフラクタルならではなのか?という点についてはまた別の機会で書いてみようと思います。

皆さんの事業に置き換えてみてください。

「フラクタルの肝となる経営戦略の考え方」への1件のフィードバック

  1. ピンバック: 一人では稼働の飽和が見えている人へ。チーム作りの考え方 – Fractal.Inc

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