きょう1日「考えたこと」は何か?

僕らが日々、仕事をする中で、大半の時間を「作業」もしくは「価値っぽい作業」に充てています。
むしろほとんどの時間がそうかもしれません。

1日8〜10時間くらい働くのですが、多くのビジネスパーソンの場合「1〜2時間」程度でも「考える」「思考する」という時間を確保していれば、かなり良い方です。

考えるというのはとても疲れます。
集中力が必要ですし、そもそも多くの場合「考えるとは何か?」という問いに答えられません。

ビジネスにおいて多くの場合は「知識(=情報)」と「効率的なオペレーション」で成り立ってしまうのですが、僕らのような知的生産者やコンサルティング業・コンテンツを生業にする場合は、思考による価値を生み出していくことが求められます。

あなたが家に帰ってきて「あー疲れた、今日も1日、たくさん働いた」と思っていたとしても、その9割以上は(場合によっては99%が)作業であった可能性は高いのではないでしょうか。

知識や情報も大事ですが、それ以上に大切なことは自分の頭で考えるという習慣です。

毎日1つでも良いので、考える時間を確保し、アウトプットをし続けるとその蓄積が何年後かに大きな価値になります。

ホワイトワーカーと呼ばれるビジネスパーソンの多くは、「考えたフリ」をして人生を終えていきます。

一見すると考えたように見えるものでも、「誰かが考えたこと」ようは他人の知識を引用している場合がほとんどです。

意思決定が行われないミーティング

例えば僕が勤めている会社で、こんな会議(ミーティング)がありました。一見するともっともらしい内容です。

アジェンダ:〇〇市場を開拓するための効果的な営業手法について議論する

方法:参加者数名が意見を出し合い、ホワイトボードに記載していく

別にテーマはなんでも良いのですが、「〇〇について検討する」とか「〇〇について話し合う」というミーティングは、会社員であればほぼ毎日のように行われているのではないでしょうか。特に大企業であればそうです。

僕が参加した上の会議では、「こうした方が良い!」とか「実体験ではこういう例があった」という意見が飛び交います。
流石に優秀なメンバーが集められていますから、いろいろな意見が「情報として」集まるわけです。

90分にものぼるこのミーティングが終わった時、参加者の多くは満足度が高かったです。
「こうすればよいのでは」という意見がたくさん出て、わりとお腹いっぱいです。

さて、このミーティングが終わった翌日、あるいは1週間後には、どういう行動変化があったのでしょうか?

もちろん答えはお察しの通り、全く何も変わりませんね。

これは何回同じようなミーティングを行なっても同様です。

「〇〇について検討する」というような会議でも同様です。
プロジェクトメンバーからいくら重要な調査・分析レポートが上がってきても、何ヶ月経っても物事は前に進みません。

なぜでしょうか?

意思決定の軸がなければどんな情報も意味がない

上の会議の結果、行動変容は何もなく、次の週も同じ1週間が繰り返されていきます。

これは会議の冒頭で、「この業務を変える」とか「提案までのリードタイムをこれだけ短くするために」とか、論点をクリアにしておく必要がありました。

会議やミーティングというのはそもそも、「いつまでに、誰が、なにを、どの程度行うのか」という合意を得るためのものです。

具体的なアクションプランがないと、会議をした意味がないのです。目的なきただの情報収集は、雑談と同じであり、ただその情報がビジネスっぽいので「仕事をした気になっている」というだけの話です。

「〇〇について検討する」というプロジェクトでも、プロジェクトスタート時にまず「意思決定のポイント」を決める必要があります。

例えば〇〇のベンダー会社に依頼する際に、複数社から相見積もりを取って、良さそうなところに依頼するという場合も同様です。

複数社に相見積もりを取るのは結構ですが、依頼の意思決定のポイントを事前に明確にしておかなければ、有意義な検討にはなりません。結局最後は、気分で決めるということになるわけです。

あなたがもしサラリーマンなのであれば、一気にあなたの会社の人たちを変えることは難しいでしょう。

でも、あなたが明日から毎日1時間でも、思考のための時間をブロックすることはできるはずです。

何を、どのように考えれば良いのか?というのはこのブログでも様々な観点で、論点を提示できればと思っています。

あなたがもし経営者なのであれば、コミュニケーションを目的とした会議はそれとして、ちゃんと意思決定をする会議を行うために、まずはあなた自身が思考することです。

何よりも有意義な資産は時間であり、時間を変換し価値を生むのは作業ではなく思考なのです。

きょう1日考えたことを、1つでも手帳に書いてみよう。

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