- 企業規模: 売上100億円超
- 事業内容: 調剤薬局事業を主軸とする企業様。調剤薬局事業においては、確固たるノウハウを蓄積し、右肩上がりの安定的な成長を遂げています。
お取り組み背景
当社の代表である神里が、以前からご縁があった企業様で、2024年の当社大阪オフィス設立を契機に再度お声がけいただき、新規事業のご支援案件としてプロジェクトが始まりました。
既存事業は盤石な一方で、新規事業には以下の深刻な課題がありました。
1:推進体制とリード人材の欠如新規事業を具体的に推進できるビジネスサイドの人材や、プロジェクトの全体像を描き、指揮を執るPM(プロジェクトマネージャー)クラスの人材が不在であるため、推進が難しい状況でした。
2:事業環境の極めて高い複雑性:調剤薬局事業は、国の意向(法規制)、薬剤師の特殊性(高い専門性と流動性)、出店戦略、今後の規制による未来予測など、非常に多くの因数が絡み合うため、全体像の理解が困難です。この複雑な全体像を理解した上で企画や営業戦略を立案できる人材が求められていました。
3:新規事業のテーマの複雑性:新規事業のテーマは「薬剤師が活躍できる土壌や事業基盤の構築」(未病・予防領域への進出、新たな資格取得支援など)であり、単純なビジネス合理性だけでなく、国や医学会へのアプローチ、ロビー活動など、多岐にわたる領域のバランス感覚が求められていました。
プロジェクトポイント
神里は実働支援というよりも、主にPMO(プロジェクト・マネジメント・オフィス)として参画し、「大上段の整理」や「原点回帰のための壁打ち」を行うことで、複雑な新規事業の舵取りのサポートを実施しています。
-
1. 複雑なステークホルダー間のバランス調整
法規制への理解と未来予測、有資格者(薬剤師)のキャリア構造や思考の理解、キャッシュポイント(処方箋発行)となるクリニックや医療従事者との連携、提案先である対企業へのアプローチという4つの領域における知見とアプローチのバランスを適切に取りながら、難易度の高い事業支援を実現しています。
-
2. 全員が納得感を持つための「フラットな視点」の提供
どうしても議論が偏りがちになる部分を、全体像から落とし込みフラットに整理できるようご支援をしております。業界上、神里が直接コミュニケーションや提案ができない領域も多いため、やり取りが密になるほど偏ってしまいがちだからこそ、先方のプロジェクトメンバー目線をフラットにし、立ち位置を整理することや、交渉内容の整理やあらすじ作り、アドバイスなどブレーンとしてのサポートを実施し、会社としてのブランディングや方針に立ち返りながら交渉材料を作成することで、関係者全員が納得感を持ってPJに携われるよう支援しています。
-
3. 「時間軸」に対する戦略的な関与
本事業は、早ければ良いというものではなく、世の中や国の変化をセンシティブに見極め、事業推進のタイミングを見極めることが極めて重要です。「今なのか、来年なのか?」といった、時間軸に対する判断にも慎重に関わり、戦略的な意思決定をサポートしています。
また、これらの戦略的支援に限らず、プロジェクトによっては、オンライン診療や電子処方箋対応を実施しているクリニックの洗い出しや、実際に受診して実態を確認する調査、企業への営業案内資料の作成支援、商談への同席などといった実働支援や実際に業界をリサーチするような支援も柔軟に行うことで、現場とのギャップを最小限に抑える形で適切な支援を実現しております。
成果
極めて難易度の高い新規事業において、複雑に絡み合う要素を整理し、事業推進の方向性が明確化し、多角的な視点とバランス感覚に基づくPMO支援により、関係者間の認識のズレが解消され、プロジェクト推進の確実性が向上しました。
当社の支援は継続となっており、本企業様の新規事業の成功に引き続き貢献しています。