組織の意思決定は、意思決定者の気分で決まると知る

世の中に多くある大組織は、外から見ると「巨大にそびえ立つ得体の知れないもの」のように見える。

意思決定には複雑絡まり合った何か「大企業ならでは」の凄さがあるように見えて、仰々しい。

物事を判断するにも、決断(意思決定)するにも、何か精密機械のようなフローが組まれている。ように見えなくもない。

と言うのは実は半分嘘で、大半の場合、組織の意思決定が何で決まるかと言うとそれは1つしかない。

組織の意思決定は、意思決定者の気分で決まる。

どんなに複雑に見える組織であっても、最終意思決定権者は1人である。
(もちろん利害関係者やステークホルダーがたくさんいる、という場合も理解しますが、あくまでも最終意思決定権者は1人ということ)

これが民主主義的政治とビジネスの現場の大きな違い。

それが中小企業であればまず間違いなくほぼ全ての意思決定は社長の気分である。

中堅〜大企業になれば、各部門の責任者の気分で決まる。

もちろん、大企業になるほどに「説明責任」が求められるので、一見すると合理的な理由をもとに意思決定が決められているように見えるが、実はその説明責任は辻褄合わせの場合が多い。

ようは意思決定者が「こっちがいい!」と決めればそれになり、その選択を説明できる合理的な理由を後からでっちあげる、というイメージ。

例えばこれは、採用面接や社内の人事異動の決定においても同様で、「この人は頑張っているからこっちに」というような人事は平気で行われる。大企業の人事も案外そんなもので、中小・零細企業と異なるのは「根拠付けの粒度」といったところか。

大切なことは意思決定者の頭の中の序列を知ること

とすれば、世の中のセールスパーソンであったり、自分で自分自身を売る必要がある独立した人は、何を意識すれば良いか。

大切なことは、意思決定者の頭の中を知ると言うこと。

正確には頭の中の「序列」と「タブー」を押さえるのだ。

序列というのは、例えば営業畑出身の部長や社長であれば「攻めの一手」を好むことが多いし、エリート育ちの人は「学歴・経歴」を重視して意思決定を行うことが多い、というような「判断の優先順位」のこと。

タブーというのは、例えば学歴がないオーナー社長に対しては「表だった学歴・優秀さ」は地雷の可能性があったり、あるいはマーチ水準の学歴の人に早慶以上の水準の人が提案すると嫌われる、というようなこと。

できれば20代、遅くとも30代前半くらいまでの間に、さらに言えば会社員時代の間に、世の中の偉い人や意思決定者の頭の中を、たくさん見ておく経験があると強い。

ビジネスにおいて意思決定権があるということは、要は「発注権限」があるということ。

発注権限の大きさが、ビジネス力の大きさ。
経営リソースと言われている「人・もの・金」をどれだけ自分の意思決定で動かすことができるか。

その意思決定の背景にある思考や感情、言うなれば好き嫌いをどれだけ把握しているかというのは、高価なサービスを販売するセールスパーソンやコンサルタント業、あるいは起業したような人たちにとっては間違いなく重要な資産になる。

法人営業を行う際に、いかに意思決定者の思考フローを汲んで提案をするのか、ということはまた別の機会に書いてみます!

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